ロベルト・シューマン:民謡風の5つの小品 Op.102
フェリックス・メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ 第1番 変ロ長調 Op.45
アントン・ウェーベルン:3つの小品
ベンジャミン・ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.65
演奏者:ジャン=ギアン・ケラス(チェロ) アレクサンドル・タロー(ピアノ)
ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・タロー
~20世紀におけるロマンティシズムへのエコー~
公演日時:2011年1月21日(金) 19:00開演
会場:王子ホール
料金:全席指定 6,500円 *完売、要問い合わせ
コメント:http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2010/20110121.htmlより
トップ・ソリストのケラスとタロー、王子ホールではお馴染みの2人が2度目の登場です。音楽パートナーとして強く共感し合う彼らが選んだのは、友人同士でもあった19世紀ドイツのロマン派の2人の作曲家と、20世紀近代の2人の作曲家です。ケラスがブリテンのソナタを日本で演奏するのは意外にも今回が初めて。ケラスとタローのセンスが光るプログラム、どうぞご期待ください。
『20世紀におけるロマンティシズムへのエコー』 The inner side of Romanticism, and its echo in the XXth century
今日において「ロマン派」という用語は多くの場合、愛とパッションを思い起こさせます。 それは誤りではありません。たとえばシューマンのチェロ協奏曲の緩徐楽章などは、非常に純粋かつパーソナルな愛の表現の優れた手本と言えますし、愛への切望を感動的に描いているシューベルトのリート「いらだち」もあります。 しかしその一方、人間の魂の永遠の孤独を表現したシューベルトの「冬の旅」、謎めいた世界への憧れと恐れが描かれているメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」もあります。
ブリテンやウェーベルンの作品は、こういったロマンティシズムの内面への最も優れた現代的エコーであると言えるでしょう。 特にウェーベルンの小品第1曲と第3曲における静寂は謎に満ちていて、第2曲の音の爆発とは著しく対照をなしています。これはある意味、ロマン派的なパッションの表現方法“シュトゥルム・ウント・ドラング”(嵐と衝動)の完璧な一例と言えるでしょう。また、ブリテンのチェロ・ソナタのスケルツォはメンデルスゾーンのソナタのスケルツォにもなり得るほど非常にメンデルスゾーン的です。
一方、シューマンはその人物自身がロマン派とも言えますが、今回私たちが演奏するシューマンの5つの小品は「民謡風」に書かれており、このプログラムの中では一番ロマン派らしくない作品です。そしてメンデルスゾーンのソナタは古典的語法、輝かしさ、ノスタルジックな優しさが独特に混ざり合っています。
このように、今回のプログラムでは19世紀作品と20世紀作品のユニークなやり取りを聴いていただくことができるでしょう。プログラム前半と後半のどちらの方がよりロマンティックか…なんて予測できませんね。
――ジャン=ギアン・ケラス
主催:王子ホール
問合せ先:王子ホール
URI:http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2010/20110121.html
コンポーザーカテゴリー(採り上げられたコンサート・アーカイブにリンクしています):
<コンテンポラリー・ミュージックス・トウキョウ(β)>は、現代音楽、同時代の音楽をプログラミングしたコンサート・スケジュールをピックアップして掲載しています(β版は東京周辺、今後拡大予定)。
<コンテンポラリー・ミュージックス・トウキョウ(β)>は現代音楽・同時代の音楽と音楽家、そして聴き手とを繋ぐサービスを目指しています。コンサート・スケジュールはカレンダーにまとめてありますので、ご活用下さい。
コメント