公演名:平河町ミュージックス 第4回 笹久保 伸 高橋悠治作品など~多種類の調弦によるギター音楽
公演日時:2010年10月22日(金) 19時開演
会場:ロゴバ
料金:2500円
プログラム:
高橋悠治:メタテーシスⅡ 1968年作曲
高橋悠治:重ね書き 2010年度委嘱作品
高橋悠治:しばられた手の祈り 1976年作曲(ゲスト:金庸太)
高橋悠治:ジョン・ダウランド還る 1974年作曲(朗読:高橋悠治)
3つのペルー伝承音楽(音源採集、編曲:笹久保伸)
笹久保伸:プリペアドギターの為の3つ
時間とプロセス/蜘蛛の糸/人魚への捧げ物
演奏者:笹久保伸(ギター)
コメント:平河町ミュージックスより引用
「ギター音楽」と一言で言っても、それはあまりに幅広いジャンルを指しますが、ここではクラシックギター(形としての)を用いて、よく耳にする「クラシックギター」(=スペイン的ないし西洋的という意味で)の枠をはみ出しつつ歩んでみたいと思います。
普通のコンサートホールとは異なる空間「ロゴバ」でのコンサートは、聴衆と奏者の距離の関係がユニークで、音の伝わり方、いつもとちょっと違うその雰囲気も魅力の一つ。「ロゴバ」の空間を生かしたコンセプト、プログラムを考えてみました。
プログラム前半は1968年~2010年までの高橋悠治のギター作品。
初期の高橋悠治ギター作品はその大変特殊な調弦による演奏の難しさが理由で、普段めったに弾かれない。
メタテーシスⅡは確率論などの数学理論を用いて作曲していた時期のギター作品で、曲の大部分において奏者にはビブラートも禁止されており、この作品からはギター特有のロマン臭はしない。
ギターのような楽器の場合あまりに特殊な調弦で曲を書くと、譜を読むのが大変で、また弦もなかなか安定せず、弾いているうちに調弦が少ずつずれていったりもするが、それはこの作品を弾く上で奏者へ課せられる試練であり、この作品の面白さ、魅力の一つだと思う。
重ね書きはリサイタルで演奏するために委嘱した作品で、曲線をなぞって書いていくうちに、だんだんずれていく。軸を中心に動いていく。次第に別の風景になる。という作品。
ギターという多様性、多面性を持つ一つの民族楽器が今日世界中に存在している経緯を考えると、聴き手、弾き手はいくつもの異なる物差しが必要で、そうする事によってギターの持つ大きな魅力と可能性はさらに広がっていくような気がする。
「しばられた手の祈り」はピアノ作品ですが、今回はギター二重奏で演奏してみます。二重奏共演は金庸太氏。
「ジョン・ダウランド還る」は英語もしくは日本語による朗読とギターの為の作品で今回は作者の高橋悠治氏ご本人に朗読をお願いしています。
プログラム後半は自分がペルーのアンデスの村々を歩きながら集めてきたペルーの伝承音楽とプリペアドギターの為の作品。
ペルーでは3年半フラフラしながら音楽と人々の生活の関係を学んできました。プリペアドギター作品は、身近にある素材「紙切れ」、「綿棒」、「ハサミ」を用いてギターをプリペア(準備)します。同じ楽器と身近にある物を使っていつもとは違う音が聴こえてくる、という音楽。
笹久保 伸主催:平河町ミュージックス
問合せ先:平河町ミュージックス
URI:http://sites.google.com/site/hirakawachomusics/2010_fall_04#musician
コンポーザーカテゴリー:高橋悠治
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