「原野のささめき」
作曲・演出:フリオ・エストラーダ Julio Estrada Ansamble
原作:フアン・ルルフォ作「ペドロ・パラモ」 Murmullos del páramo
「コマラに行って、私たちを捨てた父、ペドロ・パラモに会いなさい。」死の床で母がファン・プレシ アドに残した言葉。しかし、顔も知らない父を探して辿り着いた町コマラは、荒れ果てたとうもろこ し畑に、かつてそこに生きた人たちの追憶や溜め息がささめく、死者の町だった。八月の熱い風 がすえた臭いを放つ。野心に満ちたペドロ・パラモは、悪知恵と女をたらしこむ強引な魅力で、地 主に這い上がっていく。しかし彼が唯一清らかに思い続けた幼なじみのスサナは、気がふれて逝 ってしまう。ファンの異母兄弟ミゲルは、放蕩息子で殺人を犯し、その報いか事故で死ぬ。もう一 人の義兄弟アブンディオは、貧しさのため妻子を無くし借金を断ったペドロ・パラモを父とも知らず 殺す。彼らを贖罪することができない神父レンテリアは、銃を持ちゲリラとなって革命に身を投じる。 荒涼としたメキシコの大地に木霊する死者たちの無数の声。作曲家エストラーダは、原作者ルル フォの音と沈黙のコンセプトを研究し、人々の悲哀と嘆きと憤怒のささめきを、声にならない音と して観客の心に響かせる。砕け落ちた音の破片は、出口のない社会の暗部に生きる人々の不安 と恐れに呻く心の声や、人間の深層に宿る孤独や希望を、同時代として焙り出している。
http://www.kaibunsha.net/archives/201012genya.htmlより
ヴォーカリスト:フリオ・エストラーダ、アマデオ・エストラーダ、エレン・アーガード
踊り:田中泯
笙:石川高
トロンボーン:マイク・スヴォボダ
ギター:マグナス・アンダーソン
コントラバス:フアン・ヘルミダ
パーカッション・ノイズメーカー:ローレンス・バーバー
ライブエレクトロニクス:フライブルグ・エクスペリメンタル・スタジオ
(ジョアキム・ハス、マイケル・エイカー、グレゴリオ・ガルシア・カーマン)
コーラス:こどもの城児童合唱団
声の出演:シュトットガルド・ニューボーカリスト
(サラ・マリア・サン、スサナ・レイツ・ローリー、ヴェレナ・シュワー、マーティン・ナジー、ギレルモ・アンゾレナ、アンドレアス・フィッシャー)
メキシコ現代オペラ「原野のささめき」
公演日時:
2010年12月21日(火)19:00開場/19:30開演
2010年12月22日(水)19:00開場/19:30開演
2010年12月23日(木・祝)13:30開場/14:00開演
会場:スパイラルホール
料金:全席自由 一般(前売:5,500円 当日:6,000円)
コメント:http://www.kaibunsha.net/archives/201012genya.htmlより
ペドロ・パラモを探して 辿り着いた町。 しかしそこは、 秘やかなささめきに包まれた 死者ばかりの町だった…… メキシコ文学の金字塔、ファン・ルルフォ原作「ペドロ・パラモ」を、 現代音楽の巨匠フリオ・エストラーダが15年の歳月をかけてオペラ化。 原野にこだまする魂の声を、見事に音楽と視覚で表現した傑作。 日本公演では笙の石川高と舞踊家、田中泯の出演が決定! 舞台はメキシコ革命前夜。破滅に向かう人々の声にならない声が充満する失楽園、コマラ。生者と死者、愛と罪、現在と過去を行き交う時間は円環をなし、神話のように世界を包む。
主催:NPO法人 魁文舎
問合せ先:スパイラルオンラインストア TEL 03-3498-1171
URI:http://www.kaibunsha.net/archives/201012genya.html
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