アストル・パンタレオン・ピアソラ(作詞:オラシオ・フェレール):
タンゴ・オペリータ《ブエノスアイレスのマリア》
(コンサート形式/スペイン語上演/日本語字幕付)
歌:カティエ・ヴィケイラ
歌:レオナルド・グラナドス
語り:パブロ・シンヘル
小松亮太(バンドネオン)& Tokyo Tango Dectet
ピアソラ生誕90年記念 《ブエノスアイレスのマリア》
公演日時:2011年3月19日(土)15:00開演
会場:東京オペラシティ
料金:(全席指定・税込) S:¥6,000 A:¥5,000 B:¥4,000 C:¥3,000
コメント:http://www.operacity.jp/concert/2010/110319/about.phpより
あの《若き民衆》日本初演チームが描く、ピアソラの最高傑作。
「本当にこれをやるのか…」
2008年に東京オペラシティでピアソラのオラトリオ《若き民衆》を日本初演させていただいて以来、久しぶりに感慨に耽っている。
ほんの20数年前まで、日本のタンゴはずっとずっと冬のままだった。1950年代には爆発的なタンゴブームが巻き起こり、決して少なくはないタンゴミュージシャン逹が誕生していた。にも関わらず、ブームが去った後に押された「流行らない音楽」という、無知と偏見から来る烙印のせいで、タンゴ系の大作に取り組もうとすることなど夢のまた夢、という時代に僕はバンドネオンを膝に乗せ始めていたのだ。
デビューしてからの12年間、あらゆるタンゴに触れ、そして魅せてゆくことを信条としてきた僕がいまだ取り組んでいない大作《ブエノスアイレスのマリア》が、いま現実に、目の前にある。僕のライフワークの集大成を、ここオペラシティで実現させていただける幸せに感謝しつつ…。
小松亮太
タンゴの革命児ピアソラが渾身のエネルギーを費やして1968年に初演した伝説の大傑作が《ブエノスアイレスのマリア》である。オペラ、ミュージカル、カンタータ、オラトリオなどの要素を持ったこの独特な音楽劇“オペリータ”の魅力を一言で言い表すとすれば ─ 「破滅の甘い香り」。どこまでも夜の底へと堕ちていく感覚。不思議な疾走感。場末のキャバレーの美しい娘マリアの生涯を描くのみならず、詩的寓意と象徴に満ちたこの神秘的世界は、「生きることそのものの悲しみ」にまで到達している。
滅多に上演されないこの全曲が、2008年のピアソラのオラトリオ《若き民衆》日本初演を成し遂げた主要メンバーの手によって、ついに取り上げられる。この世の惨めさを全部知っている優しい娼婦のように魅惑的な歌手カティア・ヴィケイラ、そして魔術的な語りが印象に残るパブロ・シンヘル、そしてあの熱気の渦の中心にいたバンドネオン小松亮太。ピアソラ好きのみならず、すべての音楽ファンにとって聴き逃せぬ上演となることは間違いない。
林田直樹(音楽ジャーナリスト)
主催:東京オペラシティ文化財団
問合せ先:東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999 / コンサートイマジン 03-3235-3777
URI:http://www.operacity.jp/concert/2010/110319/index.php
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アストル・パンタレオン・ピアソラ
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